鉄道技術の標準化に貢献
長藤敬晴「平成20年度標準化活動貢献者表彰」受賞

国土交通省はこのほど、鉄道分野で技術規格の国際化や標準化に貢献した7人を表彰した。鉄道分野で日本初の企画や仕様を国際化する取り組みは、日本製品の海外展開に直結することから、政府も国際競争力強化に向けた重点施策として力をいれている。2回目の「標準化活動貢献者表彰」は、JR東日本の松本雅行執行役員・鉄道事業本部電気ネットワーク部担当部長らが受賞した。
日本の鉄道企画は長く国鉄主導で決められ、安全性などの観点から独自基準を重視する傾向が強かった。しかし、国鉄民営化を機に鉄道各社が独自規格に移行したことから、鉄道業界全体をカバーするような規格が消滅。このことが、海外の高速鉄道整備などで日本技術の採用を難しくしているとされる。
こうした点を重視した国土交通省鉄道局は、2000年(平成12年)10月に官民一体となった「鉄道技術標準化調査検討会」を設置。JRグループや私鉄、車両・部品メーカーの技術系幹部をメンバーに、同省と鉄道総研、日本鉄道車両工業会が事務局を預かりながら、国内規格の国際展開や国際、国内規格の整合性確保に取り組んでいる。
こうした中で、政府が昨年から総理大臣表彰を創設して国際標準化に乗り出したのに呼応して、国交省も鉄道版の表彰制度をスタート。鉄道総研の正田英介会長が委員長を務める標準化調査検討会で受賞者を決定した。
受賞者のうちJR東日本の松木部長はJRグループ本体社員として初の受賞。国際電気標準会議(IEC)の鉄道システム評価法の企画検討会主査を務める中で、IEC規格に日本の鉄道業界が対応するための各種資料作成を手掛け、鉄道技術の国際標準化に貢献。東洋工機の阿部政俊技術統括と大阪市交通局鉄道技術本部の大平泰司担当係長は、いずれも車上1次リニア誘導モーター(LIM)の技術規格を制定。LIMは大阪市営地下鉄長堀見緑地線をトップバッターとする鉄輪式リニアモーターカーで、都営地下鉄大江戸線など国内の地下鉄のほか中国でも採用されるなど、日本発の鉄道技術として世界規模で広がりを見せている。
このほか、東芝車両システム事業部交通車両システム技術部の青山育也部長、日本鉄道車両工業会の川平吉郎技術標準化担当部長、三菱電機の交通事業部の塩見省吾担当部長、日本軌道工業の長藤敬晴代表取締役専務の4人が受賞した。
交通新聞 2008年10月10日付 記事転載