ロッキードモノレール
日本ロッキードモノレール株式会社は、アメリカのロッキード航空機の子会社で、ロッキード式モノレールを日本で普及させる目的で設立された。同社設立にあたっては、丸紅株式会社のほか佐藤工業株式会社 西松建設株式会社等が出資している。
そのロッキード式モノレールは、航空機製造の技術を生かした軽い車輌で、車輪は鉄製の両フランジを使用し、レールの上を走行させる跨座式構造であった。また両サイドの案内車輪は、主レールより小さいレールを利用するようになっていた(図参照)。
昭和36年4月、当社は佐藤工業様から施工の依頼を受けた。原設計を見ると、土木工学や鉄道工学からほど遠いものであ ったため、いったんは辞退したが、当社は、モノレール研究委員会(委員長・中村梅吉)のメンバーでもあったため、日軌式に設計変更を行ってもよいということで受注に踏み切ることになった。そこでまず手初めに行ったのが、英文によるモノレール軌道締結の解説書『RAIL FASTENING TO MONO RAIL』の作成であった。このモノレールの技術は力学的解明からレールの締結施工法にいたるすべてか未知の分野で、ことごとく初めから開拓していかなければならない仕事であった。
しかも、これを受注して責任施工することとなると施工上の難易 安全度 耐久性に加え、振動騒音などの公害もあわせて研究しなければならない未知の世界であった。そのため微底 した応用実験と科学的研鑽努力の決断に迫られたのである。 こうしたことをふまえ、ロッキード社の技術陣に提出した解説書では次のような項目について英文で詳細説明を行った。


1. 日軌式レール締結装置の特長
2. 設計荷重
3. 締結間隔の選定
4. レール締結の設定計算値
5. レール接目部
6. レール弾性締結と横弾性
7. 負荷時のレール圧力とパソドの反カ
8. パッドのバネ常数とレールの弾性変位
9. クリップのバネ常数
10. クリップの必要変位足
11. モノレールにおけるレールの負荷力の計算
12. レール締結装匿の応力計算
13. パッドのバネ常数の選定
14. 埋込栓の設定

こうした技術的検討を経て、モノレール試験走行線800 m構築工事を佐藤工業が請け負い、軌道工事を当社が担当したのである。PC軌道桁1丁10 mに、日軌式RCコンクリートブロック(モンコ型)を連接し50T主レールの締結はVばねを用いたゲージブロック方式、案内レールは22Kレールとした。試験線は、岐阜県三柿野にある川崎重工の構内に敷設され、昭和37年10月完成した。